飛べ!ダコタ 女優・比嘉愛未 監督・油谷誠至 スペシャルインタビュー

終戦後5カ月、佐渡の小さな村に英国軍輸送機ダコタが不時着。驚く村民たちは戸惑いながらも乗組員を受け入れ、再び飛び立つために助け合い、奮闘する。映画「飛べ!ダコタ」は、この実際に起きたエピソードを基に描かれたヒューマンドラマ。主人公・森本千代子を演じるのは、映画初主演となる比嘉愛未だ。

油谷監督から比嘉さんへ「素のままでいい。演じなくてもいい」というオーダーだったようですね。

油谷:映画にはいろいろな演出がありますが、千代子は比嘉さんのイメージと重なるんですよね。撮影前、まずは比嘉さん自身で千代子のイメージを作り上げてもらい、撮影中に若干の微調整をしている程度です。

比嘉:自由に、楽しみながら芝居をさせていただきつつ、主演としての責任感を持って挑んでいます。

千代子の女性像についてはどう描いていますか?

油谷:物語の舞台は戦後ですから、男性はわりと気持ちが落ち込んでいたと思うんですね。一方で女性はそういう男性を見ながら新しい時代を感じていた。「これからの時代は!」という、みんなを引っ張っていく、エネルギーに満ちた千代子になればいいなと考えています。

比嘉:実は私の中では監督が思う千代子とちょっと違うんですよ。戦後間もない厳しい時代に、ダコタが不時着してみんなが戸惑ってしまう。でも、千代子の言葉でなんとかなる、前向きになれる、「千代子は希望の光」という存在だと思うんです。監督のオーダーを吸収しながら、私自身が描いている千代子の柔らかい強さをぶれないように心掛けています。

物語には「助け合うこと」「思いやり」が印象深く表現されてるようですね。

油谷:「人を思いやる心」はこの映画のテーマでもあります。昔の日本というのは、親を敬ったり年配の人たちへの気配り、困っている人を助けたり、そういうことを当たり前にしていた思うんです。長い歴史の中、特に終戦後から現代に至るまで、日本はいろいろと変わってきています。どうしても物質的なものに意識されがちで、「心」が忘れ去られてしまったと思うんですよ。そんな中、佐渡はちょっと違う。流刑の地であったり、北前船が来ていたり、戦前から外から入ってくる人に対して受け入れる心がある。戦後という時代、日本全体は変わっていっても佐渡には日本人らしい心が残っているんですね。今でもそうだと思います。「ダコタ」をきっかけに物語は進みますが、そういう本来の日本人の気質を作品を見て感じてもらえたらいいですね。

比嘉:「困ってるなら助けなきゃ」という台詞がありますが、シンプルですけど考えさせられる言葉なんですよね。困っているんだから助けなきゃって普通のこと。助け合いの精神は日本人には誰もが持っていると思うんです。困っているんだから、そういう人がいたら一歩踏み出して行動すれば、いろいろと変わると思うんですよね。

撮影期間中、佐渡の人たちと触れ合って感じたことはありますか?

比嘉:私は沖縄出身で海も近く、わりと佐渡の人たちと似ている部分が多いと思いました。心がオープンで、どんな人も受け入れてもらえるって感じがします。人同士の距離感、こうあるべきだなって改めて考えさせられますね。

油谷:幼い頃におじいさん、おばあさんからいろいろなことを教わっていたような、そんな雰囲気が佐渡には色濃く残っていると思いました。まさにこの映画のテーマでもあるエッセンスです。ロケで島内をいろいろ巡ってますが、特に外海府の方では人が温かいなと感じていましたね。エキストラの人たち、ボランティアの人たち、皆さん本当に「ありがとうございます」です。

ロケ中は地元の人たちの炊き出しやサポートに感動したそうですね。

比嘉:炊き出しがものすごく体に染みるんですよ(笑)。気持ちだけでもうれしいのに、すごく美味しい。身も心も温まります。

油谷:寒い現場ですから、本当にうれしい限りです。撮影前、地区の方たちが現場を掃除してくれたり、すごい協力体制なんですよね。

ほかにも、佐渡にはいろいろと美味しい食べ物があるんですよ。

油谷:私は飲む専門なんですけどね(笑)。寒ブリとか南蛮海老とかいろいろありますが、私はイカ!美味しいですね〜。

比嘉:昨日初めてブリカツ丼食べたんです!米粉の食感、アゴだしのタレ。一度食べたらクセになる美味しさです(笑)

ロケ現場 フォトギャラリー

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【あらすじ】
終戦後5カ月、昭和21年1月14日午後4時。佐渡の小さな村に英国軍輸送機「ダコタ」が不時着。突然のことに住民は驚き、戸惑いながらも乗組員を向かい入れる。飛び立つまでの期間、村民総出で修理や滑走路建設に奮闘するが…。

監督:油谷誠至
出演:比嘉愛未、窪田正孝、柄本明ほか
公式HP:http://www.dakota.sado.jp/
撮影場所:佐渡八幡温泉 八幡館

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